ニュースによれば、日本でも、赤ちゃん用の液体ミルクが東京オリンピックを目処に解禁の方向らしいですね。
そうでした、そう言えば、日本に液体ミルクって流通していなかったんだよなあ、と。
ミルクの成分や安全性なども含めて賛否両論あるようですが、わたし個人としては、こんな風に消費者側の選択肢が広がってくれるのは良いことだろうと感じています。
わたし個人の経験ですが
わたしがここアメリカで娘を出産したのは、7年前。
その時点でも、当然のように液体ミルクが存在してくれていたわけですが。
生まれて間もないあの子が一番最初に飲んだのは、何を隠そう、液体ミルク。こちらではリキッド・フォーミュラと呼ばれているものです。

一応、液体ミルクのイメージ
娘を出産する前までは、出来れば完母に近い形でと何とはなしに思ってはいましたが、現実はそうはならなかった....。
母乳が出がくるのって、出産から4日ほど掛かりませんか?
もしかしたら、個人差があるのかもしれませんが、少なくとも、わたしの場合はそうでした。
入院期間中、ひっきりなしにドクターやナースがやって来ては、赤ちゃんの体重をチェックするわけですが、彼らはその結果に非常に敏感です。
母乳がすぐには出ないのだから、赤ちゃんの体重が若干落ちるのは当然と言えば当然とも言えますが、娘の場合には、体重の落ち方がドクターたちの心配を煽るくらいだったんですよね。
このままでは赤ちゃんの健康に差し障りがある、フォーミュラをあげてもいいかと聞かれれば、もう何でもいいようにしてあげてください、としか答えようがなかったです。
こちらは、痛みと疲労で体がへろへろな上、母乳が出なかった場合の対処方法なんていう知識も無いわけですし。
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え、ギフテッドチャイルドって赤ちゃんのときから育てにくい子なの?
ギフテッドであること、それは、わたしが理解するに、全く生まれつきのものです。 つまり、ギフテッドの人間には、赤ちゃんのときからすでにギフテッドならではの特質が備わっている ...
そんなわけで、どこからか颯爽と登場してくれたのが液体ミルクだったわけです。使い捨て乳首も、ボトルの数だけ付いてきてくれるんですよ。
液体ミルクのメーカー選びは
わたしの場合、要は、病院と提携しているメーカーの商品をそのまま使ったわけで。
じゃーん、その名も、Enfamil/エンファミル!
後で調べたところ、多くの小児科医がそのブランドを推奨しているようでした。
メーカーが発表している臨床データが正しければ、ライバル社の商品を抑えて、赤ちゃんの脳発達に必要な栄養値が優れているとか何とか...。
まあ、そんなこともあり、そのまま病院で紹介された商品を利用し続けることに。
舞台裏を明かしますと、こちらの場合、自然分娩での出産では、その後2日で追い出されてしまうんですよ。
わたしなんて、金曜午後の定期検診後に留め置き入院となり、誘発で日付けを跨いだ土曜の午前1時過ぎに出産、そして月曜の午後に退院ですから。
もうね、這うようにして病院を後にしましたとも!
同じ時期に出産した人たちも、保険の関係で出産後48時間以内に退院していましたね。
わたしが出産した病院では、基本、母子同室。セミプライベートルームで、わたし、夫、娘の3人が一緒です。
この貴重な短い入院期間中、ドクターとナースがひっきりなしに検診にやって来ます。
起きたら起きたで、赤ちゃんの世話の仕方をナースに一から叩き込まれるわ、体の痛みに耐えながら病院主催の母子クラスにもほぼ強制参加させられるわと、か弱い(?!)日本人女性には物凄くハードなスケジュールなんですよ。
しかも、退院翌日には、今度は自分達で小児科医に赤ちゃんを連れて行かなければならず。
「これが日本だったら、わたし、まだ入院中のはずじゃ....?」なーんて泣き言を言いながら、足引きずって出掛けましたっけ。
前置きが長くなりましたが、そういう状況下で、どんなフォーミュラがいいのかとか考えたりしている余裕は正直無かったなあ。病院が供給してくれるものを、そのまま使うだけで精一杯でした。
出産当日にすっきりとした笑顔で退院したり、その翌日にさっと病院を後にするアメリカ人女性とは間逆のわたし。
よろよろ、のろのろ、ついでにボロボロ....。
そんなわたしの様子を見て、かわいそうに、と思ってくれたんでしょう。
退院時、担当ナースの厚意もあって、病院が供給してくれる規定数の倍以上の液体ミルクをバッグに詰め込んでもらえまして、もうね、どんなに助かったか!
最初に母乳が出てきてくれるまでの数日間、これで何とか乗り切ったんですよ。
結局、わたしの場合、最後まで完母にはなれず。

赤ちゃんのミルク事情
その内、母乳で足りない分は、このブランドの粉ミルク版を利用するようになりましたけど。
ほら、液体の方が便利な分、自分で買うとなると割高ですからね。
飛行機内では、液体ミルクが一番です!
そして、もう一点、忘れていけないのは、何と言っても飛行機に乗っているときのことですね。
心底、その存在を有難いって思いました。
娘が9ヶ月のときに、日本に一時帰国したんですよ。
小さな子って、耳の空気圧調整が上手く出来ないんですよね。飛行機の上昇・下降中は、何かを飲ませたり、食べさせたりすることで、圧を逃がしてあげる必要があるわけです。
赤ちゃんの場合には、そのタイミングを図っておしゃぶりをさせたり、ミルクを飲ませたり。
でも、こういうときに母乳や粉ミルクでは難しいです。

狭い機内の中では液体ミルクが大活躍!
CAの皆さんも、席に座って待機しているような状況ですから、狭い座席で一人ごそごそと授乳の準備をしたり、いちいち粉ミルクを溶かすためのお湯をもらったり、ミルクを温めてもらったりは極力控えたい。
そんなときに、自分で一番いいタイミングを見計らって液体ミルクをさっと取り出せる術があるというのは、大きなストレス回避にもなってくれます。
わたしの場合、途中の乗り換えもあって、これを何度も繰り返す必要がありましたから、余計に液体ミルクの存在が有難かったです。
他にも、空港での長い待ち時間、場所に応じて母乳と液体ミルクを使い分けて、何とか乗り切ることができましたしね。
液体ミルクには、それ用の使い捨て乳首が付いてきますから、衛生面も気にしなくていい。やっぱり、空港での移動中や飛行機内で洗ったり、温めたりは避けたいですからね。
自宅を出てから、娘が液体フォーミュラを1本、2本と飲んでくれる度に、手荷物が少しずつ軽くなっていってくれたことも、地味に嬉しかったなあ。
復路のことも考えて、液体フォーミュラを十分な数、スーツケースに残していたことも懐かしい思い出です。
最後に
各家庭、事情も色々ですし、ミルクの選択肢が増えることで、お母さんたちのストレスが軽減されるのなら、それは非常に良いことではないかと。
何も、液体ミルクだけを使わなくてはならないというわけではないですし。
どのメーカーが参入するにせよ、もちろん、消費者側は原材料や添加物を確認する必要はあるとは思います。
ただ、臨機応変に使い分けられる選択肢と自由があるということ、それは喜ばしいことではないのかな、と考えるわたしです。