ギフテッド チャイルド ジャーナル

ギフテッドの娘と紡ぐ日常は、こんなにも瑞々しい

ギフテッドは遺伝形質なのに、なぜ親は子供を理解できないのですか?

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更紗
母親の立場でいらっしゃる読者さんから頂いた、大変興味深いご質問をご紹介させて頂きますね。

この読者さんは、上のお子さんがギフテッドなのではないかと思われ、ギフテッドについてを詳しく調べていらっしゃる内に、わたしの「ギフテッド チャイルド ジャーナル」を見つけられ、お問い合わせをくださいました。

メールのやり取りをさせて頂く中で、上のお子さんだけでなく、下のお子さん、そして、ご本人、ご主人さまに至るまでのご家族全員が、ギフテッドとしての特徴をお持ちでいらっしゃることが判明したんです。

ギフテッドであるかどうかは、基本、遺伝によるものですから、ギフテッドを抱える家庭には、よくありがちなシナリオと言えますね。

そこで頂いたのが下記のご質問です。

そのお返事については、オリジナルを編集・加筆したものをこの場にてお届けいたします!

 

クエスチョン

「ギフテッドって、標準の人間とは、思考も、感覚も異なる生き物なんですよ。ギフテッドならではの特徴、ニーズ、生き方があるんです」と更紗さんもお書きになりました。

私自身が仮にギフテッドであったとしたなら、同類であるはずなら、そこをもっと早くに理解してあげられなかったのは、なぜなんだろうと不可解なのです。

似た者同士なら共感できる部分がもっとあっても良かったのではないだろうかと。

どうして、どうして、私たちは自分の子供を理解するのがこんなに難しいのでしょうか?

彼らの感情を、どうして自分たちのそれと同じように感じることができないのでしょうか?

 

ズバリ、自分たちが子供の頃、また大人になっても、「ギフテッド」の概念はそこには存在しなかった「ギフテッド」というラベリングがどこにも存在していなかったために、今回、目が開いて初めて知った「ギフテッド」の概念を、今の今まで、自分たちと完全に切り離して考えていた、というところが大きいのではないか、と思います。

要は、ギフテッドとしてのフィルターがそこに無かった、ということです。

そして、遡ること、幼稚園児の頃から、自分たちをその「標準」の型にはめ込み、実際には窮屈に感じながらも、その型の中で最大限の努力をし、自分は「ほぼ標準」だと考えるくらいには自分自身を欺き、それを「ほぼ完全」に信じるまでに至っていた、ということでしょうね。

言わば、標準社会で生きていくための「サバイバルスキル」です。これは、後天的に、訓練で身に付けたものですね。

「学校って、こんなもの」、「人生って、こんなもの」、学年や年齢を重ねる度に、そう思い込みながら、周りに溶け込めるよう、細心の注意を払い、自分を律して生きてきた、と。

人によって、その度合いは違うかもしれませんけど、つまり、その状態に慣れてしまっていた、ということなんじゃないでしょうか?

一旦、身に付けたサバイバルスキルは、長年に渡って、十分通用してくれたわけですけど、自分の遺伝子を受け継いだ子が、「あなたの本当のアイデンティティーはそれじゃない、これだよ!」と目を覚まさせてくれたんじゃないでしょうか。(笑)

それ以外にも、ギフテッドレベルの違い、性格の違い、OEの種類、学習スタイルの違いというものも、当然、関係してきます。

 

[ギフテッドレベルの違い]

ギフテッドのレベルは、専門家によっても分け方が若干異なってきますし、知能指数も、使用テストによって、スコアの上限が変わってきたりもします。

ちなみに、以下は、アメリカでも広く受け入れられている「WISC-IV、拡張規範でのIQスコア」を元にしています。

 

《ギフテッドのレベルの一例》

-Moderately Gifted(MG):IQ130~144

-Highly Gifted(HG):IQ145~159

-Exceptionally Gifted(EG):IQ160~174

-Profoundly Gifted(PG):IQ175以上

 

ギフテッドの専門家の研究結果によりますと、親子間での知能は、基本的に同等レベルであり、親子間のIQの違いは、数字にして、大抵、10ポイント以内であるという臨床結果が出ています。

何と、祖父母と孫のIQの違いも、10ポイント以内であるケースがしばしば見受けられるようですよ。

この結果からも導き出されるように、ギフテッドとは先天的なもので、ギフテッドとしての特徴は脈々と受け継がれている、ということなんですね。

 

[性格タイプの違い]

性格の違いについては、ギフテッド世界でも、度々、参考にされている性格診断テストがあります。

アメリカの有名企業なんかでも、社員の適材適所を図るために利用しているようですよ。

オンラインで出来て、しかも、無料ですので、ぜひ、ご自分たちが性格がどのタイプになっているのか、ご確認なさってみるといいですよ。

話のネタにもなってくれますし。(笑)

こちらのサイトで、診断が可能です。

 

 

実は、子供版も、これを元に作成されていて、ギフテッドの専門家が活用しているんですけどね、それは有料の上、医師や専門家を通してでないと受けさせてもらえないものですので、とりあえず、お子さんたちにについては、何となくの予想を立てるだけで十分だと思います。

親子間で、なぜ、ぶつかりやすいのか等、その概要をつかめます。

あと、ギフテッドに多い性格タイプというものもあるんですよ。

問題を起こして、専門家に連れて行かれやすいのは、この性格タイプ、というのも統計として、ギフテッド専門家の資料にも出ているくらいです。

ですので、ご自身の大方の性格タイプを掴んでおくと、あとあと参考になってくれると思います。

 

[OEの違い]

次に、ギフテッドには、Overexcitabilities(通称、OE)という言葉が付いて回るのですけどね、これは、内外の刺激に対して、より深く、より激しく、より繊細に反応できる、特別な能力のことなんです。

「Over」という単語が誤解を生み易くしてしまっていますので、「Superexcitabilities」とでも表現した方が、本来の意味をご理解して頂き易いかもしれません。

そう、元々は、とても良い意味なんですよ。このOEがあるからこそ、芸術が生まれ、発明が成され、新たな学説が生まれ....となるわけですからね。

ただ、子供の内はね、自分でOEをコントロールする術を学べていませんので、ある意味、刺激に振り回されてしまうと言いますか、持て余してしまうんですね。

例え、本人はそれで由とできても、社会の常識がそれを受け入れてくれないわけで、しばしば回りとの軋轢の原因となってしまうんですよ。

言うならば、アナ雪のエルサ状態?

OEには、5種類あるんですけど、人によっては、全種類を持っている場合もあれば、1つだけ、もしくは、2つか3つということもよくあります。

親子間でも、持ち合わせているOEに違いがありますから、それによっても、互いに理解し合うことが難しくなったりもするんじゃないかな、と。

 

-精神運動性OE:過度に行動的でエネルギッシュ。脳への刺激過多で、眠れなくなることもある。何事にも能動的で、ADHDに間違われやすい。

-知覚性OE:五感に訴えるものに激しく反応する。音楽や絵画を深く体験する一方で、匂いや音にも敏感。洋服の内タグや靴下の縫い目すらも嫌がることがある。また、質感、食感ゆえに、特定の食べ物の好き嫌いがある。

-想像性OE:想像の翼を持ち、ちょっとしたことに対しても、いわゆる、シェークスピアやホメロス劇場を展開する。傍からは、大げさで芝居がかっているようにも見える。夢想を楽しむ。夜見る夢の内容が、朝起きても記憶に鮮明に残っている。悪夢をも見やすい。

-知性OE:知識を得ることが最重要となる。自分の関心ごとについて、延々と問い続け、答えを見つけようとする。大人に、分からないこと、知りたいことを質問し続けることも。度を越した集中力を持つ。自分の中で理論的思考を展開する。

-感情性OE:ありとあらゆる激しい感情の発露がある。非常に繊細で傷つきやすく、心配性で怖がり。時に、癇癪をも引き起こす。

 

[学習スタイルの違い]

学習スタイルに関しては、分け方にも色々あるんですけど、ギフテッドの資料でよくお目見えするのが、以下のスタイルですね。OE同様、やはり、本人が自然と好む学習スタイルの違いによっても、親子間での違いが出てきます。

-聴覚優位(ほとんどの学校で行われている授業が、このスタイル)

-視覚優位(芸術家、発明家、建築家等のクリエイティブなタイプがこのスタイルを好む)

-触覚優位/運動感覚優位(ハンズオン、体験型)

 

[愛情を伝える方法の違い]

他にも、プラスαとして、ギフテッドとは直接の関係ないものの、愛情表現の方法の違いも関わってくるかもしれません。

実は、子供に愛情を伝えるのに効果的な方法をタイプ別に解説した書籍があるんですね。アメリカでは、名著と言われていまして、わたしも原書を持っていますよ。

この本、和訳も出ているんですけどね、残念なことに増版がされていないようで、現在、手に入るのはUSEDのみになってしまうかもしれません。


 

クリスチャンの著者によるものですので、神や信仰に関する記述も少しだけ含まれていたかもしれませんが、それはあくまでメインではなく、本質の、子供の中には愛情タンクというものがあって、それを満タンにしておく方法は、各子供によっても優先順位も違うんだよ、というところを分かり易く教えてくれています。

ざっとお話すると、5種類の方法があるというんですね。

-肯定的な言葉(言葉で、その子の良いところを伝えてあげる)

-スキンシップ

-一緒に過ごす時間

-プレゼント

-尽くす行為(その子のためにやってあげること。送り迎えやお弁当作りなど)

どれも子供にとっては重要なんですけど、その中で、各子供にとって、一番伝わり易い愛情表現というものがある、と。

それをまずは優先してあげることで、親の愛情が子供に最も効果的に伝わる、ということらしいです。

逆に言うと、その子の一番の愛情表現を使って傷つけてしまうことは、絶対に避けなければならない、ということなんですね。

もしも、そうしてしまったときには、親が思う以上の傷を、その子供の心に残すことになる、と。

定型発達のお子さんでも、もちろん、そうなんですけど、非定型発達のギフテッドの場合は元々が繊細で過敏です。

親が手を出してしまう場合、知覚性OEを持っている子の場合には、これまた、特に、受け取り方も、度を越えてしまう可能性もありますので、その辺りを踏まえ、ご夫婦で一番良いと思われる形での躾方法をお探しになられるといいかもしれません。

ギフテッドの子供相手の場合、なぜ、それをしてはいけないのか、という辺りを筋道立てて説明してあげることも効果的だと思います。

ギフテッドの子を叱るのに、頭ごなしは絶対にダメだ、というのは、専門家の一致した意見のようで、わたし自身、試行錯誤と反省の毎日ですよ。

これもね、親の側に余裕がないと、上手く行かないんですよねえ。

だからこそ、ギフテッドの親が自分自身を労わることは重要ですよ!

 

更紗
ということで、わたしが思うに、「ギフテッド」概念の有無から始まって、ギフテッドレベル性格タイプ持ち合わせているOEの種類学習スタイル愛情表現の方法によっても、ギフテッドの親子間の中での理解にムラ/差が出るんだというところをお伝えさせて頂きました。

同じギフテッドで、よく似た親子と言えども、結局は、別の人格を持った人間どうしですから、親が子を理解するのは容易ではなく、そこに相当な努力を要するというのは、当然の前提だろうと思います。

その上での、「なぜ?」を敢えて探ってみたお返事でした。

 

 

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